大和ハウスグループ伸和エージェンシーのオフィスデザイン。
コロナ禍の中のオフィスデザインということで在宅勤務が推奨されホームオフィスといった言葉がよく聞かれるようになり、オフィスが社員にとってどうあるべきかが問われているなか、伸和エージェンシーにとってのその答えは<社員にとって家に続くもう一つの居場所となるような居心地の良いオフィス>というものだった。これもとに、伸和エージェンシーらしさを感じさせるデザインコンセプトを設定した。
そのコンセプトは”わ”である。
“わ”は大和ハウスの”和”であり、伸和エージェンシーの”和”でもあり、日本そのものを示す”和”でもある。また、会社と社員を繋ぐ大きな”輪”でもある。この和と輪を意識しながらデザインを空間に落とし込んでいった。
エントランスをぬけるとはじめに見えてくるカフェスタイルのミーティングエリアは、屏風のような間仕切りに植栽とソファを組み合わせたデザインとした。この屏風に格子のデザインを取り入れることで、コンセプトである和をより強調している。
そしてオフィスの真ん中に配置されている輪型のテーブルは、中心に植栽を置くことでこのオフィス内のあらゆるところから見えるよう象徴的な存在となるようにデザインした。このテーブルは扇型の形を組み合わせて輪型とすることでより和を感じられるようにデザインされている。
ここからさらに奥に進むとフリーアドレスの執務エリアになるが、執務エリアを壁で明確に区分するのではなく、植栽によって柔らかく曖昧に間仕切ることでよりぬけ感のある居心地の良いオフィスとなることを考えた。この植栽が置かれている什器の天板は、お盆(トレー)のような縁を作ることで植栽の落下防止となるように考えられている。
この明確に区分するのではなく柔らかく曖昧に間仕切るというのも、和らしい考え方の一つといえるだろう。
これらのように、和のデザインや輪のカタチ・考え方を空間に散りばめることで”わ”を感じさせる居心地の良い居場所となるオフィスを目指した。